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その日はあいにくの天気だった。
梅雨時の雨らしく,しとしとと長く傘を濡らしていた。職場の本部に書類を提出した帰り,ゆっくりとした足取りで歩いていると,前方に黄色い傘をさした小学1年生くらいの男の子が目に入ってきた。寂しそうにひとりで誰かを待っているかのような仕草で,何となく目をひいた。その男の子も私に気がついた様子で,傘の奥から小さな瞳がきらきらと見え隠れしていた。
すれちがいざまに,その男の子は「こんにちは!」と小さな声で,でもはっきりした声で私にあいさつをしてくれた。私ははっとして,急に恥ずかしくなり,そして動揺してしまった。それを悟られないように,ゆっくりと「こんにちは」と傘を外して笑顔であいさつを返した。
それは閑かな瞬間で,雨音もなんだか遠くに感じられた。
私は足を止めずにゆっくりとその場を離れ,しばらく先の角を曲がるときに,男の子があの場所にまだいるような気がして振り向いた。しかし,そこに小さな姿はなかった。
そうだ・・・。これまで子どもたちから学んだことの実に多いこと。教えているつもりが,教えられている自分に気がつく・・・。
そうだ・・・。「あいさつ」しませんか! 「あいさつ」から始めませんか!
これからも,みんなで豊かな心を育み,子供の夢を応援していきませんか?
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